女性や子ども、初心者も来やすいように、トイレ小屋をつくろう!
今までのラボリエのトイレ環境
基本的に、アウトドアに慣れた大人の男性であれば、トイレは不要だ。森の中でどうにかできる。
ただ女性や子どもは、そうはいかない。特にアウトドア初心者になると、「森の中で」というのは怖いものだ。
今までも、その対策として2つの手段を用意していたが、それぞれ課題があった。
①近くのコンビニ
ここでは1km先にコンビニがある。車で数分、歩いて約15分。そこで買い物しつつ、トイレを借りるのが1つの選択肢だ。
夜にお酒を飲んでしまうとクルマを出せないので、歩くしかないが、暗い夜道は怖い。また往復30分という時間を使うのも、もったいなく感じてしまう。
②簡易の仮設トイレ
着替え用のポップアップテント+介護用トイレの組み合わせ。
トイレの中に、使い捨て紙シート「ポイレット」を入れて使う。シート内の成分が水分を吸収し、消臭をしてくれる。1回ずつセットして捨てるので、トイレは清潔なまま使える。
これは、「思ったよりしっかりしたトイレだ」という評価で、小学生の子でも使うことはできた。
ポップアップテントが心もとないとか、1回ずつセットするのが面倒、とか、細かな課題は多々あるが、最も大きな課題の声が、1つあった。
それは、使用済みのトイレシートを「持って帰る」ことだ。
ラボリエで出たゴミは、自宅へ持って帰って捨てている。このトイレシートも同じ。それを持って帰るのが「恥ずかしい」という声や、それだけのゴミが出ることの「罪悪感」など、心理的なハードルが想像以上に大きいことがわかった。
トイレがこれならば「行けない」という人もいた。
ここに招待する人を増やし、初心者に門戸を広げていくためにも、アップデートが必須だ。
トイレの改善策
① コンビニへのアクセス
やはりコンビニのトイレは、もちろん水洗だし、清潔で便利だ。問題はアクセス方法。
早く、簡単に行ける方法として、「自転車」を設置することにした。
とはいえ、お酒を飲んだ人は、飲酒運転になるので使えない。
一部、お酒を飲まない(飲めない)人がいるので、そのメンバーだけでもカバーできれば、と考えた。
② トイレ小屋づくり
仮設トイレを、アップデートすることを考えた。目標は、何よりも、ゴミを持ち帰らなくてよいこと。
ここは、水道も下水も引けない場所。そんな場所でも形にする方法が、調べるといくつか出てきた。
- 井戸を掘って水を引き、浄化槽を設置し、水洗トイレにする
- 微生物で分解するバイオトイレにする
両方とも、一番の課題は「予算」。数十万円~のお金がかかる。ここにそれを捻出するのは決心がつかなかった。比較的安いのは2だが、寒い季節は電気で温めないと分解が遅く、どこまで効果があるか未知数だった。
ふと思いついた。「大」は機会も少ないが、その処理は大変。機会が多い「小」だけをカバーできたらよいのでは。「大」の場合は、コンビニに行くことでカバーしたい。
男性も、「小」は場所を決め、野に放っているが、①この場所の土壌が「砂」のため溜まらない。②泊まりは月1回程度。のため、臭いがしたりなど、困ることは今までなかった。
女性や子どもも、安心して「小」を「野に放てる」トイレがあれば、大部分はカバーできるのではないか。
まず、イメージスケッチを描いてみる。天井は低いがあくまでイメージ。
小屋をつくって、便座を設置。穴をあけ、地面にそのまま落ちていくという形だ。
囲われる分、臭いがこもる可能性はあるため、屋根からタンクに雨水を溜め、簡易の水洗式(?)にしたい。
メンバーの家族など、行ったことない人を含め、数人にヒアリングしてみたが、拒否感はなく肯定意見をもらえた。持ち帰るという、今までの方法と比べたら全然いい、という評価だ。
その他の方法で課題だった予算についても、便座は今あるものを改造し使えばよいので、小屋だけをつくればよく、数万円程度で収まるのでは、と想定した。
「小専用・自然放出型トイレ(仮)」、この方向性で、具体を考えてみよう。
小専用・自然放出型トイレ(仮)の設置場所
トイレは、どこに設置すべきか。
今まで、簡易トイレを設置していたのは、北東端の場所。なるべく離れた場所で、音なども聞こえないようにという配慮だった。
ただここは、深い森の入口でもあり、夜は、この先は真っ暗になる。こっちに入って行くのが「怖い」という声も出ていた。
みんなで食事する場所からは距離をとりつつ、その光が届き、トイレまで不安にならず行ける場所。最南端に設置することにした。
この場所は、今、切った竹が積んである。また、竹の「伐根」がまだできていない。
この場所の整地から、はじめて行く必要がある。
小専用・自然放出型トイレ(仮)の設計
トイレ小屋をどうつくるか。メンバーに建築の知識がある人はいない。
インターネットでトイレ小屋や物置をDIYしていた人たちの記事を参考にしていく。そして、ホームセンターに行き、どんな材料があるか、確認しながら手探りで構造を考えてみる。
縮尺はデフォルメしているが、設計図面を引いてみた。
イメージはできたが、素人設計で、絶対どこかでミスがある。
実行に移して、あとは出たとこ勝負だ。
<続く>