CAMP #1-2|ラボリエ初ソロキャンプ・後編

 ラボリエで初のソロキャンプ。整備もまだまだ、キャンプ場以外での野営も初体験で、楽しむよりも緊張感が。やっと、設営して腰を下ろしたら、少し落ち着いた。いよいよキャンプの最も楽しい時間の1つでもある、焚火と食事だ。

 前編の準備~設営はこちら。

暗闇での焚火タイム

 陽が落ちて、辺りは真っ暗。

く、暗い・・・

 ランタンで照らしているが、思った以上に暗く感じる。ランタンで確保できるのは自分の周囲の視界だけで、10m先はぼんやりとしか見えない。キャンプ場では、例えばトイレや洗い場などに何らか照明があるが、その灯かりで奥行きがわかるみたいだ。その安心感は大きいのだなと思った。

 まず、火を熾そう。灯かりの確保と、煙は虫よけにもなる。あと、もし野生動物がいたら、避ける効果もあるだろう。

 手間を掛けて火熾しすることも楽しいのだが、いろんな余裕がなくなると思っていたので、割り切って、着火剤を使うことにしていた。また、持ちこんだ乾燥した薪を使った。これなら、薪の組み方を間違えなければ、何も触らなくても、数分で薪に火が付く。

 やはり焚火があると、一気に明るくなり、安心感も増した。

 火が育って安定したところで、この森で拾ってきた太めの木を加えてみる。乾燥していなければ、着火に時間がかかるだろう。ただ、すぐ火はついた。それなりに火を育てていれば、大丈夫なようだ。

 大き目の木を持ってきて、ノコギリで切り、加えていく。

 今までは、買った薪しか使ったことがなかったが、買う薪は、基本的に1種類の木だ。ここでは、いくつかの木の種類があり、また、生えていた場所、落ちていた場所の違いによって、燃え方が少しずつ違う。小さい炎で、長く燃える木。大きな炎で、あっという間に燃える木。

 その違いを見ていくだけで、楽しい。自分にとって、新しい焚火の楽しみ方だ。

いつものソロ料理

 焚火を楽しみながら、食事の準備をしていく。もし火が熾せなかったら、、、と考え、バーナーで調理できる料理にした。

 これまで、ソロキャンプへ行く時には、料理を「すき焼き」に固定していた。

 1人でのキャンプに求めていたのは「何もしない、何も考えない時間をつくる」こと。そのために、できる限りルーティーンを決めて、考えなくてもいいようにしていた。キャンプ場は、季節によって変えるが、それ以外はなるべく同じスタイルで。

 特に料理は、クリエイティブな行為の1つだ。どこで食材を調達し、どんなレシピで、どの道具で、どんな方法で調理する・・・それは楽しい行為だが、エネルギーも必要だ。それを固定にするだけで、考えること、やることが格段に減る。

 すき焼きは、スキレット1つで調理でき、食材を切って焼くだけ。肉も野菜も食べられる。失敗も少ない。冬は、シェルター内で調理すると、ストーブを焚いたように暖かくなる。夏も、お鍋ほどは暑くはない。オールシーズンいける。

そして何より、、、日本酒に合う。

 そこで今回も、「すき焼き」にした。

 スキレットを熱し、牛脂を入れ、肉を入れ、割り下を入る。お肉は、いつも買っている肉専門店で調達。こう見えて、脂が少なめあっさりな部位だ。

 少しレアなところでお肉を卵にくぐらせ口へ。

 そして、日本酒をグイっと。

おふぅ・・・うまい・・・

 今日の日本酒は、自分にとって、特別な1本だ。

 富山県の枡田酒造店「満寿泉 貴醸酒 生酒」。

 富山の「L’evo」というレストランで出してもらい、気に入った銘柄。
 4年ほど前に、テレビのドキュメンタリーで「L’evo」のシェフが特集されていたのを見て、感動し、料理を食べるためだけに富山へ行った。富山の地場の食材を最大限活かして、シェフが地元の人たちと一緒に生み出した料理。そこでしか食べられない料理だ。その美味しさに感動して、今までの人生で、最も美味しい食事だったと思っている。

L’evoのホームページ

L’evoの食べログのページ

 (現在、L’evoは閉店して、新しいお店の準備中だそうだ)

 この銘柄は、毎年1月に出荷され春にはなくなるので、毎年2本取り寄せて、保管し、大切な人たちとの場で飲んでいる。

 特に今回は、2年近く、冷蔵庫で熟成させたものを持ってきた。

 貴醸酒とは、水の代わりに日本酒で仕込んだお酒。濃厚でとろりとしていて上品な味わいだ。特に、この銘柄は、とても「甘い」。L’evoでも、食後酒として、デザートと一緒に出された。

 L’evoの「満寿泉 貴醸酒 生酒」と合わせたデザートは、こちら。芸術作品だった。

 すき焼きと合うかというと、もっと合う日本酒はあると思う。

 ただ、この組み合わせが、私の中では1つの区切りにもなって、ベストだった。これからも、こういう食の分野でも新しく開拓をしていけたら。

 食べて、飲んで、焚火をして。夜は更けていく。

 次またここでソロキャンプする時は、「キャンプ場を選び、予約する」という手間がなくなるので、料理はいろいろ挑戦してみたい。

車に忘れ物・・・もう戻れない

 日付も変わり、テントに入った。

 ふと見ると、スマートフォンの電池が、残り10%を切っている。充電しようと思ったら、モバイルバッテリーはあるが、ケーブルがない。車に置いてきてしまったようだ。

 もしここでケガしたり、火事になったり、何かがあったときに通信手段がないと困る。ただ、この暗闇で、今の整備されていない道で、少し酔っている中、車までは戻れない。水路に落ちたり、転んで竹が刺さって、ケガをするリスクが高い。

 スマートフォンを省エネモードにし、朝まで電池が持つことを祈って、眠りについた。ただ、こんなにもスマホが使えなくなることに不安を覚えるなんて。それだけ普段、依存してしまっているのだと改めて感じた。

撤収!

 早朝に起床。というか、あまり眠れなかった。初の野営で、緊張感が抜けなかった。深夜に、物音がガタっというと、目が覚めたりしていた。その音は、密集して生えている竹たちが、風で当たる音がほとんどで、心配する必要はなかった。

(念のため、カメラを設置し、定点撮影していた。帰宅してから見たが、何も変化はなく、動物や人が来ることはなかった。)

 今回でだいぶ慣れたので、次回は、もっと安心して眠れるだろう。

 どのキャンプでも毎回そうだが、行きよりも、帰りの方が荷物の容積が増える。行き3往復で運んだが、帰りは倍の6往復。朝から汗だくになってしまった。

 誰もいない場所なので、上半身を裸になって、ウォータージャグの水を被り、さっと汗を流す。

 この場所に、お風呂やシャワーが欲しい。水道がないので、まず井戸を掘らなくては。やりたいことはたくさんある。

 とりあえず、初のラボリエソロキャンプ、無事に終了。

 帰り道に、日帰り温泉に寄ってさっぱりし、高速道路で自宅へ。片付けして、泥のように眠った。

 また、もっとサイトの場所を広げ、道も整備して、みんなでワイワイとキャンプを楽しみに来たい!

ただただ焚火する動画

 今回のソロキャンプで焚火する動画はこちら。

<続く>

今回のキャンプ体験から、定点カメラを設置し、何か動物が来ないかチェック。