CAMP #1-1|ラボリエ初ソロキャンプ・前編

 順調に見えた開拓も、竹の逆襲を喰らい、改めて自然の厳しさを知った。その日は、少し意気消沈したが、ここで負けてはいられない。

よし!1回、キャンプしてみよう!

 ふと、思いたった。気持ちで負けた分、取り返そう、という、なんとなくの意地だ。

キャンプのプランニング

 現地は、道も全く整備できていないし、テントサイトも小さい。

 私の持つキャンプ道具は、基本的に、オートキャンプ向けだ。竹が再び繁殖した今の道では、80mほど竹を除けながらの「歩き」で、荷物を運ぶ必要がある。これだけの荷物を、運ぶのは難しい。

 ここ最近、車への積載スペースもギリギリになってきたので、道具をコンパクト・軽量なものに入れ替えてきた。最低限、必須で、使えそうなものを並べてみる。大きくは、テントが課題だ。シェルターは運ぶのが大変だし、そもそも張るスペースがない。小型テントは、基本1人で寝るイメージだ。

 メンバーに相談してみつつ、日程も検討しつつ、少し逡巡して、今回は、ソロで行くことを選択した。

 まだ整備が十分にできておらず、何が起きるかもわからない。いったん、リハーサルとして、1人で人柱になってみよう。もう少し整えてから、グループキャンプでの開所式をやろう、という方向にした。

 私自身、ソロキャンプは慣れているが、それはキャンプ場でのみ。整備されたキャンプ場以外での「野営」はしたことがない。その点は少し、緊張する。

キャンプ地への徒歩運搬準備

 キャンプ地までは徒歩。キャリーカートも使えない。手持ちで荷物を運べるように、道具を絞った。なんとか3往復で、運べそうだ。

運搬① テント・小物類・ジャグ

 バックパックに、テントと小物類を詰め背負い、手にウォータージャグを持っていく。

 テントは、ZEROGRAMのEl Chalten Pro 2.5pだ。新品で、このキャンプがデビュー戦。DACポール採用で、軽くて小さく、設営撤収も楽なテントだ。

 小物類は、ハンマー、調理器具、食器、火バサミ、ランタン、ミニテーブル、などなど。この時期の千葉は、季節的にも暑く、寝具はシュラフでなくてもよいと考えて、小さな毛布を1枚持っていった。また、前回、蚊がたくさんいたため、対策として、パワー森林香を用意した。

 これらを、バックパックに詰め込んでいく。

運搬② チェア・コット・クーラーボックス

 チェアとコットは、軽量さ魅力のヘリノックス。チェアは、ロッキングフットも。ヘリノックスなら、軽いし、バックパックに詰められたらと考えていたが、無理だった。

 クーラーボックスには食料品とお酒を。軽量のAOクーラーと迷ったが、保冷力を考えてハードクーラーに。こちらは、釣り具メーカーDAIWAの、釣り用のクーラーボックスを黒塗りしたものだ。釣り用は、軽くて保冷力が良い。

運搬③ 焚火台・薪

 これらは、持っていくか迷った。

 直火での焚火をすれば、台は不要だ。ただでさえ、重たいスノーピークの焚き火台だ。できれば運びたくはない。ただ、焚火場を整備しないと火事が不安だったので、少なくとも今回は、焚火台を使うことにした。

 薪も現地調達することもできる。ただ、もし湿気っていて火が付かなかったら困るので、念のため乾燥された薪を持っていくことにした。

消防署での届け出

 今回、初めてラボリエで「焚火」をすることになる。近くに民家もあり、森から急に煙が黙々と上がったら、心配されるのではないか。

 そこで、キャンプの前に、最寄の消防署へ、相談に行くことにした。

あの・・・近くの森を買いまして・・・そこで焚火をします。何か申請とかした方がいいですか?

でしたらぜひ、「届出」をしてください!
これは、消防署が「許可する」ものではないのですが、何かあったとき、近隣の方から通報があった場合などに、連絡をとりやすくできますので。

 その場で、連絡先や焚火する場所をパソコンで申請書に打ち込んでもらって、届出はすぐに完了した。

 細心の注意は払うつもりだが、万が一、山火事になりそうなときなど、届出をしておいた方が、すぐに駆け付けてもらいやすい。特に、道もなく、どこから入ったらいいかわからない森の中だ。

 地域の方に、ご迷惑をお掛けしないようにするためにも、こういうところはしっかりしておきたいなと思った。

キャンプ地・設営

ここを、本日のキャンプ地とする!!

 荷物は、計画通り、問題なく運べた。ちょっとだけ気分を盛り上げ、テントを立てる。

 このテントは、たった5分で設営完了できた。早い!!

 グランドシート、インナーテント、フライシートが一体になっており、広げて、ポールを立てて、アタッチメントを付けたら3分でテントが立つ。あとはペグ打ちして終わりだ。

 竹が、ちょうどいいランタンポールになった。もしかしたら、竹は全部切らない方がいいのかもしれない。

 とりあえず、これで準備は完了だ。

危険な客人??

 設営が終わり、日も暮れかけてきた中、いざ乾杯!と思ったところで、トラブルが起きた。

 ブーン・・・ブーン・・・ブーン・・・

 何か、大きめの虫が、周りを飛び回る。その場を離れても、付きまとってくる。これは、ハチか、アブか、ハエか。もう辺りが暗くなってきており、判別がつかない。もしハチだったら危険だ。

 この時、初めてのラボリエキャンプ、暗くなってきたタイミングで、少し、緊張感が増していた。私は、性格的にも、楽観的に「うまくいったケース」を考えるより、悲観的に「だめになったケース」を考えて、備えるタイプだ。その性格もあって、不安になってきた。

 そこで、車に戻り、近くのホームセンターへ。威力がありそうな蜂の殺虫スプレーを購入。フマキラーの「バズーカジェット」。

 キャンプ地に戻って、また付きまとってきた彼らに、バズーカスプレー噴射。すごい勢いで噴出される。もう暗くなっており、当たったかどうかは見えない。彼らに、というより、音のする暗闇に向かって噴射している。

 3~4回、照射すると、音がパタリと止まった。仕留めたようだ。

 こう振り返ると、自分自身、臆病者で、かなり弱々しい。少し恥ずかしいが、これにも、慣れたら大丈夫になるだろうし、記録としては残しておこう。

 ちなみに、蜂を捕獲する、罠タイプの殺虫剤も購入し、仕掛けてみた。後日談だが、ハチは1匹もかからなかった。この時いたのは、アブかハエだったようだ。

落ち着いて乾杯!

 とりあえず座って、1杯。ようやく、、、だ。そしてこれが、至福の時だ。次は、火を熾しつつ、食事の準備をしていく。

<後編に続く>

●今回掲載のキャンプギア/グッズはこちら

※テントは、2.5pが現在・在庫切れ/上記は2.0p
※クーラーボックスは、廃番になったため、後継モデル