開拓Act.1 |道づくり・前編

 さあ、いよいよ開拓だ。この森の現況は、こうなっている。まずはキャンプ地まで、道を通していこう。

竹は高さ1mで切る

 竹は、地下で茎がつながっていて、切っても、翌年にまた元気に生えてくる。調べてみると、ここ近年見つけられた方法として、「1m伐採法」というものを見つけた。

 ①竹を1メートルの高さで切る
 ②地下茎は切られたことに気づかず、竹に栄養分を送る
 ③竹は栄養を送られても切られているので育たず、地下茎も弱っていく

 こちらの書籍で、初めて紹介されたようだ。

 この方法なら、時間がかかるが、エコだし、来年、少し楽をできるかもしれない。

 また、少しそそられたのは、新しい方法で、まだ詳しく効果がわかっていないこと。ネットで探しても情報が少なかった。それはぜひ、効果が出るかどうか試してみたい。

 まずは、道になるところの竹を、切っていく。電動式のノコギリと、手動のノコギリで、ゴリゴリと。

 ノコギリは、こちらを購入。

 「KIMO」は、知らないブランドだったが、安価で、レビューの評価も高かったので選択。結果、十分に使えた。かなりパワーもあり、ザクザクと切ることができた。太い竹でも一瞬だ。むしろ、太い竹の方が、切るときブレないので切りやすい。細い竹は、手動でのノコギリでもサクサク切れた。

竹を切って、運んで、運んで・・・

 竹を切ることよりも、切った竹を“運ぶ”方が、実は大変だ。まず、竹の長さが、これだけ長い。

 竹の長さは、身長の4倍以上。竹が密集したことで、陽の光を求めてモヤシのように、お互いに競争しつつ伸び続けたのだろう。

 切った後、この竹を運んで重ねていく。山のように、竹が積まれていく。

 しかし、この1mという高さは、なんともリスキーだ。まるで、竹槍。もし躓いて、この竹の上に倒れたら、、、恐怖だ。

 竹を切り進むと、木の躯が現れた。残念ながら、もう枯れてしまっている。竹の勢力に侵食され、生きていけなかったのだろう。ごめん、もう少し、早く開拓できていたら・・・後々、薪として、大切に活用させてもらおう。

ランチに箸がない!

 日々の仕事は、デスクワークだ。しかも、このコロナ過でリモートワークとなり、家から一歩も出ない日も多い。結果、完全なる運動不足。竹を切って運んでを2時間も動いたら、もうフラフラだ。

 倒れる前に、昼食にしてエネルギー補給と回復を。いつもキャンプ料理は凝ったものをつくりたいのだが、この場では無理だった。お湯を沸かして、インスタントラーメン。

 お湯を注いで、ふと気づいたのが、“箸”が見当たらない。持ってくるのを、忘れてた・・・。

 近くのコンビニに行っていたら麺が伸びてしまう。タイムリミットは3分。・・・目に入ったのが、目の前にある竹の残骸だった。不動産会社の「まさおくん」が破砕した竹だ。ちょうどよい太さのものを選び、長さを整え、洗う。・・・使えそうだ。

 この箸で、無事に、美味しくラーメンを頂けた。ラボリエでは、ここにある自然のものを使ってDIYをしたい、と考えていた。その1つ目が、箸になるとは・・・。

 午後はペースが落ちたが、1日で、20メートルほど進んだ。まだまだ、先は長い。

 <後編につづく>