山林探し⑨ 購入の手続き

 買う!と決めて、早速、手続きをはじめた。

<まとめ>
・歴史を見ると、50年前に宅地開発しようとして失敗した土地?
・購入における将来のリスクは、家を建てられないこと
・キャンプのために森を買う、は、自治体の担当者も驚き

 まずは購入の申込書に記入。宅地建物取引主任者より重要事項の説明などを聞き、契約書に押印。あとの手続きは司法書士にお願いして、登記書類が届くのを待つ。
 今回は、不動産会社から購入したので、その手引きで円滑に進んだ。

この土地の歴史

 このタイミングで、登記情報を確認できた。過去に、どのような所有者を渡ってきたかも記載がある。時を遡り、1970年に、この付近の土地が区割りされている。まとまった住宅地として開発しようとしていたようで、道路とその両横に住宅地の区分がいくつか設けられていた。その土地の境界には、木が植えられたようだ。
 その開発が頓挫したのだろう。木はそのまま残り、その間を縫うように竹が繁殖し、約50年かけて今の荒れた竹林になったと思われる。

重要事項説明と懸念点

 宅地建物取引主任者の方が、一番気にされていたのが、この土地の公共インフラについてだった。

  • 道路からキャンプ地まで道となるところが、「道」として公的に認められてはいないこと。建築基準法の“接道義務”を満たせないため、今のままでは家を建てられない。
  • 上下水道・電気を、キャンプ地まで通すことは“現実的に”不可能であること。道路からキャンプ地まで100mの、新規の工事はハードルが大きい。

 これは、一応、認識はしていた。もともと家を建てるつもりはない。水道・電気は、井戸を掘ったり、発電機を置けばいいと考えていたし、キャンプするには、それで十分だ。

 課題は、ここを手放す時だ。「住宅地として使えない土地」は「買い手がつかない」と、不動産会社としても考えているようだ。実際、そうなのだろう。価格が安いのも、それが理由だ。

 手放すときは、「キャンプ用に」として、売りに出すことになるだろう。今の状態なら、ハードルも高いので、買いたいという人は少ないと思う。ただ、ある程度整備して、キャンプできるスペースができ、自動車でそこまでアクセスできるようになれば、週末のプライベートキャンプを目的として、買いたいという人も出てきてくれるかもしれない。

 残念ながらその検証は、今はできない。ロードマップでは6年後、結果がどうかを楽しみにしておきたい。

自治体・役所からの問い合わせ

 手続きの中で、不動産会社が自治体に登記に行ったときに、役所の担当者から「本人から直接、話を聞きたい」と依頼があり、不動産会社から取次を受けた。

 ??、、、一体、何だろう・・・。何か、問題があったのだろうか。せっかくの機会なので、直接伺って、自分がやりたいことをきちんと説明したい、と考え、企画書をプレゼン資料としてまとめ、準備した上で、電話でアポイントをとろうとした。

 ただ、結果として、プレゼンも特に必要なく、電話の簡単な説明で終わった。気にされていたのは、この長い間、荒れていた土地を、どこまで開発しようとしているかだった。

木を伐採して開発するなら、手続きが必要です。

切るのは竹だけです。木は、切る予定はありません。

家を建てるなら、地目変更などの手続きが必要です。

家は建てないです。地目は山林のままが良いです。

一体、何をするんですか??

個人で、週末に来てキャンプをします。竹林はどうにかしないといけないですが、そのままの自然を活かして、遊びたいと考えてます。また、キャンプといっても、大きなキャンプ場をつくって事業を始めるわけではありません。

わかりました。その予定が変わって、何かする場合は相談に来てください。

 50年近く眠っていた荒れた土地を、個人が買う、というので、驚かれたのだろう。そして、別荘であれば多くの人が想像できると思うが、キャンプするために土地を持つ、という人もまだまだ少ないだろうし、理解を頂くにはやはり少しハードルがあった。

 とはいえ、問題はなかったので、このまま登記が完了し、晴れて、私の土地になった。

 さて、いよいよ、開拓がはじめます!

<続く>

まずは、道づくりを!

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