山林探し⑫ 地域とのお付き合い・後編

前編に続き、ご近所さんとの良きお付き合いについて書いていきます。

<前編はこちら>
①「焚き火」トラブル、②「境界線」のトラブルについて記載。

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③ 隣地トラブル回避の背景

 このトラブルは、今のところ、発生していない。

 もともと心配していたのは「竹」だ。キャンプ地にもつながっている竹林は、かなり広く、約100m先の住宅の横まで来ている。

 竹は、地下茎でつながり、隣家の床から出てきたりするなどのトラブルが起きる事例も聞いた。私の持つ土地が、直に隣家に接しているわけではないが、ここで遊んでいれば、「竹をどうにかしてほしい」と言われることがあるのではないか、と想像していた。

 この点は、購入後すぐ、隣家のご主人と話して、解決した。

①地下から竹が入ってこないように、敷地内で対策済み
②防風林として役に立つので、むしろ、竹を全て切るのはやめて欲しい

 という2点が、ご主人のお話だった。何も聞かず、全て切ってしまっていたら、逆にトラブルになっていたかもしれない。このように、コミュニケーションをとることが大切だと感じた。

 また、別の近隣のご主人と話していた時に、違う気付きを得た。もともと、「草刈機」のエンジン音が大きいので、それに対して申し訳ない、と話をした。すると、予期しない反応があった。

この辺は、これが日常だから、全然いいよ!
むしろ、道路付近も、がんばってきれいにしてくれてありがとう。
それに引き換え、あちらの家はやってくれないんだよな・・・。

 と、道路沿いの草刈りが滞っているお宅への不満を呟かれていた。

 そんなふうに感謝されるのであれば、遊ぶ時には、道路に面する入口付近も、きちんと草刈りをやっていこうと思った。

 そういえば購入前、別の山林を見に行って、不動産会社と話していた時に、こんな話も聞いていた。

ここの道路、うちの土地ではないですが、1年に1回は草刈をしてます。
周辺の方に、感謝はされてるみたいで、敷地外に車を停めさせてもらったりしても、クレームは出ないですね。

 こういった、草があちこち生えてくる地域では、草刈りがコミュニケーションツールになり得るのだ。

 やっていけないところを刈ってはまずいが、きちんと草刈りを継続することで、地域の方からの信頼を得られることがある。トラブルは、不信感から生まれる。信頼を得られるのであれば、きちんとやっておきたいなと思う。

④ 無断立ち入りトラブル回避

 このトラブルも、今のところ発生していない。もしかしたら、誰か立ち入りしているかもしれないが、形跡はなく、被害は起きていない。

 その理由は、そもそも魅力的な資源がないからだと思う。魚が釣れる、木の実が採れるといった資源だ。

 今後、あり得るとしたら「筍」だ。竹林なので、筍が採れると思い、春先に入る人がいるかもしれない。ただ、この竹林は、全く手入れがされておらず、密集状態のため、食べられる筍が育たない。ギチギチに生えている地下茎の合間を縫って、細い芽が出てくるが、固くて食用に適さない。

 この状況が理解されていれば、わざわざ筍を採りにくる人も、いないと思われる。

 あと念のため、定点カメラは設置している。不審者が写っていないか、いつもデータを見るのにドキドキするが、今のところ誰も写ってはいない。

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 もう少し整備ができたら、道のゲートにチェーンのロックをかけようとは思っている。それで侵入を防げるわけではないが、多少の抑止にはなるかもしれない。

 何よりも、ここのトラブルの心配の大きさは、その森に資源があるかどうか、で、変わるのだと思う。

⑤ 産業廃棄物 不法投棄のトラブル回避

 このトラブルも、今のところは起きていない。

 唯一、敷地内に「土管」があり邪魔ではあるが、購入時に認識し、許容している。(この土管をどうするのかは、悩みであり、アイディア絶賛募集中だ。)

 また、開拓中に、森の中にゴミが落ちているのはよく拾う。見る限り、20年以上経過していると思われるが、飲み物の瓶や缶だ。恐らく、ここを最初に切り拓いたときに、作業員の方が飲んで捨てたのだろう。

 そして、ここの森の反対側、ラボリエから100mほど離れたところで、テレビが捨てられているのを見つけた。ブラウン管式のかなり古いモデルで、かなり朽ちていた。

 発生したら、一番困るのがこのトラブルだ。キャンプ地は、水路で車が入れないため、大丈夫だとは思う。ただ、そこまでの私道に、何か捨てられたら、開拓作業が止まってしまうし、処分費もかかる。道路には、カメラも設置していない。

 ④と同じように、やはり、チェーンロックをかけるなどの対策はとっておいた方が良さそうだ。

 ここ⑤は、残念ながら、明確な打ち手はまだない。今後の開拓の中で、考えていきたいテーマだ。

最後に

 トラブルが起きていない、と言っても、まだ1年も経っていない中での話だ。これから、どんなことが起きるかわからない。仲が悪いよりも、いい方がいいに決まっているので、ご近所さまたちと、顔を合わせる限りは、できるだけお話をして意思疎通を図っていきたい。

 また、この地域の方々は、とても穏やかで温かい。

 「キャンプをしたい」という、一般の人にはよくわからない遊び。さらに、このコロナ禍の中で、接触はほとんどないとはいえ、何かしら不安感を与えてしまうのでは、と当初は考えていた。だが、そこはあまり気にはされず、各所で、温かく迎え入れてもらえた。とてもありがたく、かつ貴重なことだと思う。

 周りが優しいから、「何をしてもいい」というわけではないと思うので、地域の方々への影響も考えながら、この活動を楽しんでいきたい。