開拓Act.8 |薪置き台づくり・前編

木を乾燥させられる、薪置き場をつくろう!

薪置き台の必要性

 ラボリエには、竹だけではなく、たくさんの木がある。その中で、強風で倒れた木、竹に侵食されて枯れた木、道づくりの中で少しだけ切った木、それらは、薪にして、焚火を楽しもうと考えていた。

 ただ、何回か焚火をしてみたが、火が付きにくかった。木がだいぶ湿気っている。雨にさらされ、地面からも水分は移る。やはり、燃えやすくするには、雨を避け、地面から離し、乾燥させることが必要だ。

 そのためには、屋根がある薪置き台があった方が良い。

 あとは、優先順位。他にも、つくりたいものはある。トイレ小屋や、キッチンに屋根のあるスペースもつくりたい。ただ、建築の知識がない素人だ。YouTubeでつくり方を見てわかった気になっても、実際つくるのにはハードルがあるはず。まず、薪置き台で、ライトにやってみて、感触を掴むのはありだ。

 ということで、作ってみよう。

材料は、ソファ

 薪置き台は、そこまでサイズは大きくなくていい。私自身、いつものキャンプでもそこまで薪を使わない。1回のキャンプで、調理に効率よく薪を使って、1束買って半分くらい残る。そこから考えると、幅1m、高さ1mもあれば十分だ。

 どうつくろうか考えていた時、たまたま、家のソファを買い替えた。もともとのソファは、10年ほど使って、ファブリックも色褪せたり破れたりしていたが、今回新しく、気に入ったソファを見つけて、置きかえた。

 この、古いソファをどうするか。ふと、これをリメイクして、薪置き台にしたらどうだろう、と思いついた。

 長い間、一緒にいたソファだ。ただ捨てるよりも、その方が絶対にいい。

ファブリックを剥がす

 ソファは大きくて、自動車には載らない。自宅で作業をしていく。

 ネジで止まっているところは外して、分解する。そして、ソファのファブリックを剥がしていく。

 ファブリックは、クッション材のスポンジとともに、タッカーで木材に打ちつけられている。カッターでファブリックで切りながら、ペンチとマイナスドライバーでタッカーから、引きはがしていく。

 これが結構な手間だった。これを剥がしきるだけで半日。それでも、すべて剥がすのは無理だった。これはこれでいいかと思いつつ、初日は、ここまで。

木枠の分解・再組み立て

 座面には、スプリングがついている。これは取ってしまってもいいが、せっかくなので、このまま使ってみたい。ソファと同じように、このスプリングが、薪を受け止めたら面白い。薪も、機嫌よく乾燥してくれるかもしれない(?)。

 ただ、この2m以上ある、横の長さは必要ない。長辺の木枠を切る。短く切った方が、薪置き台のベース(土台)になる。

 ネジでとめてあった短辺の片側の木枠を外し、ベースじゃない方の木を分解していく。

 ベースじゃないほうは、スプリングも外していく。

 そして、外した短辺の木枠をネジをしめてまた戻す。

 これで、1m弱の幅になった。これを、薪置き台の底面にする。

 接着剤でついているスポンジをきれいに剥がしていく。

 ここで、この日は終了。半日かけて、やっとでベースができた。長辺の切った木枠の残りは、屋根を支える柱にしていく。

木材の塗装・追加買い出し

 使える木材を、組んだ時のシミュレーションをしてみる。今回、何も設計図は書いていない。分解しながら、使える木材、使えない木材を選り分けていくなかで、何がどこまで使えるかわからず、設計できなかった。正直、行き当たりばったりだ。

 底面と、4本の柱、その柱をつなぐ2本の梁、あと柱の筋交いも2本、このソファから確保できた。屋根の構造など、ネット検索で調べながら、ここで初めて、簡単に設計を考えていった。この作業は、次に、もっと大きな屋根付きの建屋をつくる予行練習も兼ねている。小さい家だと思って、どう組み立てたらいいか考えてみる。

 あと足りないのは、柱を支える筋交い追加と、梁をつなぎ屋根を支える垂木、そして屋根だ。屋根はポリカーボネート板、筋交いと垂木は、木材を買い足すことにした。

 今回のソファは、屋内用につくられた家具で、ファブリックも被せられていたから、木材としては何のコーティングもない。雨風にさらされる場所にいったら、すぐに腐食してしまいそうだ。

 そこで、防腐塗料を塗っていく。この作業は、ベランダで。

 色は、薄めに「ライトオーク」で。

 家で、組み立ててしまうと、車に載らないので、自宅の作業はここまで。あとは、現地へ持っていって、組み立てよう。

<続く|後編はこちら>