ジブリ飯、仕上げていこう!
湖畔のマジックアワー
魔女の宅急便の「ニシンのパイ」の2つ目を、ダッチオーブンに入れて火に投入。
毎年お世話になっているキャンプ場で、夏を楽しんでこよう。 船で渡ってキャンプ場へ この10年くらい、ほぼ毎年訪れているキャンプ場。そのキャンプ場は湖畔にあるが、車でも徒歩でも行けない場所にある。 船で渡る。船着き場で[…]
そのタイミングで、船をお見送り。一部メンバーはデイキャンプで帰る予定だった。
そこで調理場から出て気づく。マジックアワーだ。
マジックアワーとは、日没前に数十分程体験できる薄明の時間帯。あたりの風景が、淡い赤から青が混じった、とてもきれいな色になる。
お見送りをしてから、撮影しよう!と思っていたら、一瞬でピークの時間帯は終わってしまった。次にこの機会あるときは、カメラを予め設置しておきたい。
お見送り後、少しまた撮影していたら、一気に、暗くなっていく。
穏やかな、時間だ。
と、ダッチオーブンを火にかけていたことを忘れていた。
ニシンのパイの悲劇
1つ目のパイは、なかなか焼き色がつかず、「40分」とレシピに書いてあったが、1時間近くかかった。2つ目は、少し火を強めにしていた。
その火加減を、撮影していてすっかり忘れていた。
既に、40分ほどの時間が経っている。恐る恐る、蓋を開けてみる。
あ、黒い・・・。
1つ目に焼いたパイの色と違う。ただ陽が沈み、暗くてよく見えない。
とりあえずダッチオーブンから出してみよう、と、型を掴んで運ぼうとする。
「ボチャッ・・・」
鈍い音がした。
型の底が、抜けた。
2つ目は、紙のケーキ型を使った。ケーキスポンジなどなら大丈夫だったのだろうが、このパイの重さに、耐えられなかったようだ。
かぼちゃとニシンの層が、ほぼ抜けた。そしてパイの方は、、、お魚が真っ黒だ。
パイは、上の魚の層を削れば、食べられそうだ。だが、
これ、ほぼパイしか残ってない。パンを食べてる感じ。
と、具がない状況。
残念ながら、ニシンのパイではなく、ニシンのコゲの後がついただけのパイ、になってしまった。
こういう重量のあるパイをするときは、紙の型は、NGだということを、改めて理解した。
旬の桃のパイ
コースとしては、この後、もののけ姫より「ジコ坊のかゆ汁」をつくる予定だった。ただ、今日はお酒も飲んでいないので、〆に食べよう、という気分にはならない。
それよりも、スイーツを食べたい。
パイ生地の残りを使って、今が旬の桃を使って、パイをつくることに。
レシピとしては、こんな手順。
- パイ生地を伸ばして、①円形 ②ドーナツ状の2つを切り抜き、卵黄で接着する
- 卵黄を全体に塗って、ダッチオーブンに入れて焼く
- クリームチーズとグラニュー糖を混ぜて、焼いた生地にのせる
- 桃を細かく切って、レモン汁をかけたものを、その上にのせる
先ほどのニシンのパイの失敗があり、パイ生地を焼くのに緊張する。
今回は離れず、火につきっきり。5分おきに開けて、焼き加減を見る。
ここでは、失敗はなかった。
美味しそう!やっぱり、さすがだね~!
と言ってきたのは、小さい時から知っている友人の息子さん(小学生)。
お!?成長したなぁ。そんな、お世辞を言えるようになったのか?
うん!おねだりするときに、うまくいくから。
おお、大人に近づくということは、こういうことか。
ただ、この桃のパイを美味しそう、食べたい、と思ってのおねだりだから、悪い気分ではない。
美味しい、糖分が、沁みるなぁ。
真夏キャンプの落とし穴
一通りの料理を終え、片付けをし、朝ご飯の確認をしたところで、落ち着いた時間へ。
子どもたちは、眠りにつく。
少し、夜景の撮影に行く。船がもう動いていないので、湖は穏やかだ。
チェアに座り、少し珈琲を淹れて小休止。これはソログルスタイルのいいところ。少し離れて、体力回復をすることができる。
今回は、「楽なメニュー」を選んだつもりだったが、思ったより苦戦した。恐らく「暑かった」からだ。気温が高いことで、頭がうまく回らず、また身体も重かった。ただ、最近の在宅ワークで、体力が落ちているのもあるかもしれない。
ふと見ると、湖の対岸の、街の灯かりが見えた。
そして、北の空には、北極星も見える。
ここは、いい場所だ。
少しして戻ると、大人も、少しずつ寝始めていた。少し会話して、シャワーを浴び、私も就寝準備に入る。
おやすみなさい~。
と、テントに入って、横になる。
今日はなかなか動いた。楽しかった。気持ちよく寝よう・・・
あ、暑い!!!外は涼しいのになんで!?
汗だくになって、テントから出た。外の空気は、この時間、とても涼しい。
が、テント内で横になると、異常な暑さ。温度計を出してみると、床付近は28℃ある。
どうやら、日中、陽に照らされた地面の熱が、この時間まで残っているようだ。この場所は、見晴らしがいいが、その分、陽当たりが良すぎた。
岩盤浴の状態だ。これでは、ゆっくり眠れない。
意を決して、テントだけ移動することにした。ペグを外し、荷物を出し、日陰だった場所へ。
ハンマーでペグ打ちすると、音でみんなを起こしてしまうので、ペグを手でグリグリと地面に押し込む。本数は最小限にした。
夏は、地面の熱に気を付けなくてはいけない。移動した先も、先ほどではないが、地面が少し暑かった。
暑さ対策として、オールウェザーブランケットのシルバー面を、下にして敷いてはいた。上がってくる地熱を、鏡面反射で防ぐ効果がある。(冬は逆に、シルバーを上にして、体温を反射して暖める。)
ただ、それを越えて、今回は暑かった。
移動して先ほど暑さではなくなったので、横になってすぐに、眠りに落ちた。
やはり、キャンプをやればやるほど、「キャンプシーズン」は、寒い方へ移動していく。夏はむしろ「オフシーズン」の扱いだ。夏キャンプの楽しみもあるが、この暑さは、どうにもならない。
夏用に、高原に、また森を買いたいな・・・
と、つぶやきながら、眠った。
<後編に続く>