開拓Act.3|橋(仮)づくり

 竹が生い茂った道を切り開き、ついに我らが桃源郷を目前としたLABOLIER探検隊。しかし、そこには我々の行く手を阻む最大の難所が存在していた。さて、どうするLABOLIER探検隊。

我々の行く手を阻む水

はじめまして!週末探検家を夢見ているMonTanaです。この土地を我らの桃源郷にするためには、「竹」と「水路」の問題を解決することが必要です。今回はどのようにして水路の問題を解決したかを紹介します。

 過去記事(山林探し⑧購入決定!!)で説明しているが、「現地までに、幅が 約4〜5mの水路があり、橋はない」という短所があった。

 この水路は農業用の用水路である。そのため、当然のことながら、埋めることなどは出来ない。必然的に橋をかけることになった。しかし、水路の幅は5mもある。強度も考えるとそれなりの構造物を設計する必要がある。

 簡単で丈夫な橋といえば、丸太橋が思いつく。しかし、丸太を運び込むのが大変だ。また、木を伐採するとなると、自治体の許可がいる。

 さて、どのような橋にしようか。橋は2つの世界をつなげるシンボルとも言われている。我らが桃源郷のイメージを崩すような外観は避けたいな。

竹材の強度

とりあえず、仮設用の橋で良いから簡単に作れないかな?調べてみたら、竹の橋を見つけたよ。水路の真ん中に柱を作って、竹を並べて作ってるよ。

良いアイデアだ!幸いなことに、竹は豊富にある。資材には困らない。でも、竹の強度ってどうなんだろうか?ちょっと調べてみよう。

 竹を利用した橋の構造を検討するにあたり、竹の設計強度の推定は必須である。失敗を覚悟の上で、まずは作ってみることも考えた。それも有りだ。しかし、面白くない。こんな機会は無いので、簡単な設計検討は事前に済ませておきたかった。

 竹の設計強度について、調査したところ、ある一本の論文にたどり着いた。

”竹の設計強度の算定および人力施工が可能な接合法の開発-竹を構造材料として用いた応急仮設建築物の設計・施工の実例 その2-”

永井 拓生, 陶器 浩一, 日本建築学会技術報告集, 2016 年 22 巻 52 号, p. 925-928

 論文を読んで、モウソウチクとマダケの材料強度がわかった。この値を使えば、人が乗っても壊れないような橋を設計できそうだ。だけど、この土地に生えている竹の種類って何だろうか?

よし。あとは現地に行って、強度試験を実施しよう。

強度試験と橋(仮)づくり

●竹材の強度評価方法

 一番知りたかった情報は、現地で入手可能な竹材の直径と曲げ強度との関係だ。この関係を明らかにするため、強度試験を実施した。竹材を2点で支持し、真ん中に人が乗った時のたわみ量を計測するといった簡易評価を考えた。また、支点間距離(図中のL)を変えていき、竹材が折れた時の距離を記録する。

 実際に竹の上に乗ってみた。

乗ってみたけど、十分な強度がありそうだよ。

支点間距離を4mにした場合は、どうだろうか?

よっこいしょ。ギシギシ・・・ギシギシ・・・

おぉぉ・・・。こいつ・・・・・折れないぞ!たわみは20cmほどあるけど、折れない!竹を並べて荷重を分散すれば、十分に使えるのでは?!

良さそうですね。試しにつくってみませんか?

 強度試験の結果、十分な強度があることがわかった。なお、事前に計算した結果よりも大幅に上回る結果になった。予測と実証との差を検証したい気持ちを抑えて、橋(仮)づくりを優先することにした。

 できるだけ太く長い竹を探し、その竹を切って長さを揃える。このような竹を10本ほど用意し、水路に竹を渡す。このような作業を繰り返し、およそ2時間ほどで橋(仮)が完成した。これで当面は濡れずに水路を渡れるようになった。

 この橋を仮設としているのには理由がある。一つ目の理由は、夏に時期に伐採した竹は強度が低いこと。資材用の竹の伐採時期は寒い時期が適しているようだ。その理由は、水分が少ないので硬度が高くなるから。また、タンパク質などの養分が少なく、虫食い被害を抑えることができるようだ。二つ目の理由は、橋の幅が狭く、荷物の運搬用に適していないからだ。

 冬季につくり直す予定である。デザイン検討および設計をすすめる。

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