CAMP #39|晩秋のビギナーグルキャン

ラボリエで、初心者のみんなとキャンプしよう。

参加メンバーに合わせたキャンプスタイル

 グループキャンプは、集まるメンバーによって、スタイルはだいぶ変わる。大きくは、初心者か、ベテランか。

 その境界は様々あるが、キャンプを計画する際には、その人が1人(もしくは1世帯)で、キャンプができるかどうかが大きい。それはスキルや経験があるかに加え、キャンプギアを一通り持っているか。

 持っている人なら、衣食住の「住:テントやシュラフなど」を心配しなくてもよくなる。

 一方、初心者=道具を持っていない人がいる場合には、全てのギアを、揃うよう考えておく必要がある。

 私も、ここ数年でゲスト用のギアを揃えてきた。テントは、最大で7人まで寝られるスペースがある。チェアは7人分、シュラフも5人分ある。食器・カトラリーも、6人くらいまでは大丈夫だろう。その人数以内なら、100%自分の持つギアだけで、グルキャンを催行できる。

 ただ、ラボリエに初心者だけを連れて行ったことはなかった。初心者には、ハードルもあるだろうと想像していたからだ。実際、そういう声も聞こえていた。

 それが、キャンプの話をしたり、Instagramなどでキャンプの様子を発信したりしているうちに、「行ってみたい」という声ももらうようになった。

 そろそろ良いタイミングかもと思い、参加メンバーを募った。

キャンプ地の設営

 朝9時頃に出発、お昼前に現地に着いたら、まず、設営をしていく。

 テントは、SnowpeakのリビングシェルロングPro。

 いつも、一般のキャンプ場に行ったときはこの中で過ごすが、今日はこれは寝るだけのために使う。

 雨予報はないので、食事は野天でして、焚き火を囲んで夜を過ごす。夜は冷えるが、ストーブは持ってきていない。焚き火で暖をとろう。

 ラボリエは広く、夜遅くまで話していても、誰にも迷惑をかけないので安心だ。

 次に、テーブルやチェアをセットしていく。テーブルは、DIYで制作し、ここに保管してある。その分、クルマの荷物は減らせるし、設置や片付けも楽だ。(テーブルの写真を撮り忘れた。)

 焚き火場も、夜のためにセッティングしておく。着火剤として、杉の葉を集めて積んでおく。ちょっと集めすぎたが、これだけあれば安心だ。

竹で遊ぶという新発見

 この森には、無数の竹が生えていて、道づくりで切ったり、サイトエリアは伐根したりした。

 それで切った竹は、恐らく1,000本を超える。そのためこの1年強で、竹は、キャンプのハードルとなる「排除したいもの」という印象が擦り込まれていた。

 今回連れてきたメンバーは、その擦り込みはない。

竹で何かつくって、遊んでみたい!

 生えている竹を見て、そんなことを言い始めた。

 切るためのノコギリを手渡して、遠くから見守ることにした。

 そこで出来上がってきたのは、竹の「コップ」。

 他にも、蓋含むパスタ容器などつくりたかったようだが、なかなか切るのが難しいようで、断念していた。

 その試行錯誤したことも含め、このDIYをみんなとても楽しめたようだ。

 竹で遊べるのは、開拓当初から、頭では理解していた。ただ、延々と切りまくってきた中で、なんとなく避けていた。あまりその擦り込みがないメンバーがきたことで、改めて、楽しみ方を再認識できた。

 またゆっくりと、竹を使ったDIYの楽しみ方を、深掘りしてみたい。

ワインに合わせたディナー

 夕方にかけて、日帰り温泉でさっぱりした後、ラボリエに戻ってディナーを用意していく。

 いつもだと日本酒を中心に組み立てていくが、今回は、「日本酒よりワインが好き」というメンバーが多かったため、ワインに合わせたメニューを考えてみた。

 まずは、「厚揚げの味噌大葉チーズグリル」。

 こちらは、食材は和食っぽいが、チーズも加えつつ、軽めの赤ワインに合うレシピだ。

 レシピは名前のままに、厚揚げに、味噌・大葉・チーズを挟んで、焼くだけ。キャンプらしく、ダッチオーブンで焚火調理していく。

 焚き火場で火熾しして、火力を落ち着けてから、ダッチオーブンを吊るして暫く置く。

 あまり、焦げも、火の通りも心配しなくてもよいレシピ。20分ほど置いたら、火から下ろして頂く。

 熱々で、ちょっとだけ口の中を火傷した。

 次につくるのは、「野菜のハーブフリット」。

 フリットとは、いわゆる天ぷらだ。ワインに合わせて、①衣にはハーブ(バジル・タイム)を加える ②揚げ油をオリーブオイルで、の2点で、洋風にしていく。

 衣は、小麦粉・片栗粉にハーブを加えつつ、「炭酸水」で溶かす。それによって、ふわふわな衣になる。

 レンコン、まいたけ、アスパラ、パプリカ、トマト大葉など、串に刺して、衣をつけて揚げていく。

 こちらも揚げたては熱々だ。白ワインが合うということで、白のスパークリングワインを空けつつ、頂いていく。

 そして、気温も下がってきた中で、スープが欲しくなってくる。

 スープは、「白菜と豆乳のクリームスープ」。

 ダッチオーブンに、白菜・人参・たまねぎ・しめじを切って入れる。水分を出すために、少量のお塩をパラっと。飲みかけのワインを少量足す。また、茅乃舎の「野菜出汁」をパックを切って粉ごと入れる。

 それをそのまま、蓋をして焚き火へ。

 1時間ほど火にかけ、野菜が柔らかくなり水分が出ていたら、昆布だし・味噌・豆乳を追加。豆乳が分離しないよう、沸騰するギリギリのところで温めて、頂く。

 (スープの写真は、またも撮り忘れ)

 出汁が出ていて、とても美味い。うまみ成分として、白菜・昆布のグルタミン酸と、キノコのグアニル酸の掛け合わせ。無水調理のため、濃い出汁になっている。

 スープには、途中で茹でたショートパスタを追加。お腹も満たされていく。

 加えて、最初に投入していた焼いも(皮が焦げてしまった)と、和牛スライスを鉄板焼きしつつ、頂く。

 飲みつつで、ゆっくり食べつくした。

焚き火と音楽と

 食べ終わったところで、焚き火の周りに移動。暖を取りながら、まったりモードに。

 一般のキャンプ場なら、より静かに過ごす時間帯。ここでは真逆で、音楽をかけて、気分を盛り上げていく。

 それぞれが好きな音楽、アーティスト、曲を紹介しあう。好きな音楽を知ることは、その人の、人生や人となりを知ることにも繋がる。とても好きな時間の過ごし方。

 だいぶ以前に購入した、「マジックファイアー」を、焚き火に投入。カラフルな炎を楽しむ。

 なぜか、メンバーの家にあったというシャボン玉を飛ばす。ゆらゆらと浮かんで漂うシャボン玉が、ランタンの光に反射して綺麗だ。

 普通なら、時間が過ぎるほどに落ち着いてくるが、逆に、テンションが上がってくる。

 焚き火の周りで、踊ってみたり。寒いだろうと思ってきたダウンジャケットも、脱ぎ捨てていた。

 ・・・

 気づけば、ストックしていた薪がなくなっている。火も、だいぶ落ち着いてきた。

 時刻は、深夜3時。

 火の落ち着きと、その時間を認識したとたんに、一気に眠気が襲ってきた。

 ふと見上げると、星もきれいだ。

 テントに入って、寒くないようにきちんと寝袋を閉じたところで、気絶するように眠りに落ちた。

 落ち着いたキャンプも楽しいが、こういうキャンプも楽しい。これも、ここで集まるメンバー次第。

 ・・・

 翌朝は、ほぼ9時の遅めにゆっくり起床。チェックアウトの時間を気にしなくてもいいのが、とても気楽だ。

 初心者でも、十分に、楽しんでもらえることは分かった。むしろ、初心者だからこその発見も、あるのだ。

 またこれからも、企画していきたい。