CAMP #58|GO OUT CAMP @ふもとっぱら・後編

フェスの音楽を聴きながら、夕ご飯をつくっていこう!

瀬戸のもち豚トマホークの塩釜焼き

 この直前に、お肉のネット通販をされている「アウトドアミートモール」のアンバサダーに当選した。お肉を提供してもらい、それを料理して、インスタなどで掲載していく。

 今回のキャンプに向けて届けてもらったお肉がこちら。

 広島県 瀬戸牧場さんの、「瀬戸のもち豚 トマホーク」だ。骨付きで、斧のような形をした、なかなか大きなお肉。

 こちらのお肉、キャンプ飯として料理するなら、ステーキとして炭火焼か鉄板焼きにすることが多いだろう。過去のInstagramの投稿を見ても、どちらかの料理写真は見つけた。ただ、せっかくの機会、ちょっとラボリエとして新しいことにチャレンジしてみたい。

 そこで思いついたのが「塩釜焼き」だ。塩に包んで焼くという料理法。今まで、魚でやることは多かったが、お肉はなかった。水分も旨味も閉じ込めて、ふっくら焼き上がる調理法で、失敗も少ない。

 まず、塩1kgと卵白3個分を混ぜ合わせる。

 お肉を、水に漬けておいた「ほうばの葉」で包む。このほうばは熱に強い。そして塩の浸透を適度に防いでくれる。包んだものを、ダッチオーブンに入れる。お肉が大きいので、サイズギリギリだ。

 塩で包んでいく。豚肉なので、豚の顔っぽくデザイン。ここのデザインセンスは賛否あろうが、この日の私たちには、これが最高点だった。

 これを、また焚火にかける。先ほどつくったクレームブリュレと違い、多少の強火にしても、この塩釜焼きは大丈夫だ。放置していれば後から火力が弱くなるだろうことを見越し、少し強めにしておく。

 そして1時間後、ダッチオーブンを火から下ろし、蓋を開けてみる。

 塩の豚が、きれいに焼けている。

 こちらを、塩釜の醍醐味である「ハンマーで割る」という行事を経て、お肉を取り出していく。

 しょっぱくなるので、塩の塊がお肉につかないよう、注意しながら。

 ただ1つ誤算としては、塩釜から取り出した絵面は、あまり「映えない」という点だ。PR案件で、いい写真を撮らねばと思っていたので、パニック。

 これは学びにするしかないと思い、写真を撮れるだけ撮って、お肉が冷める前に頂くことにした。

 お肉は、ふっくら仕上がっている。骨の周りのお肉は、特に旨味が詰まっており、かなり美味しい。脂も上品だ。

 調理法としての塩釜焼きは、本当に成功した。

続々と料理&お酒でまったり

 塩釜を火にかけている間に、料理をつくり進めておいた。豚の塩釜焼きでだいぶ手を取られそうだったので、なるべく簡単なものを3品。全て、鉄フライパン 「JIU」1つでつくっていく。

 まずは、枝豆ペペロンチーノ風。

 ニンニク・鷹の爪をオリーブオイルでゆっくり温め、枝豆を絡めてスパイスをかけただけ。枝豆の両端をハサミで切っておくのが、食べやすくするポイント。

 次に、秋刀魚のコンフィ。

 家で下ごしらえしておいた秋刀魚を、ニンニク・鷹の爪・ローリエとともオリーブオイルで煮る。秋刀魚がパサパサにならないよう、弱火でじっくり火を通すのがポイント。

 一緒に、キノコや野菜を入れる予定だったが、すっかり忘れていた。秋刀魚を食べ終わった後、キノコと野菜のアヒージョにした。

 また、このオイルは別の容器でとっておき、夜のパスタ用のオイルとして使う。

 次は、和牛のステーキを焼いていく。両面を1分ずつ焼いて、アルミホイルに包んで3分休めるだけ。

 焼いたステーキは、醤油&柚子胡椒で頂く。

 「JIU」で3品つくりながら、塩釜焼きをしている炭火を使って、もう1品。

 こちらも後輩からリクエストのあった「肉巻きおにぎり」だ。

 ご飯を握って、箸を刺して、タレに漬け込んでおいた豚のバラ肉で巻く。それを炭火で焼いていく。

美味かったっす。だいぶ、おなかいっぱいっす。おにぎりは食べられないかも。

僕は、まだ食べられます!じゃあ、もらいますね!

 20代の後輩に、ガツガツ食べてもらう。

今宵のお酒

 もちろん、お酒も飲みつつ食べ進めている。

 1本目は、長野県 岡崎酒造「信州亀齢 ひとごこち」。

 棚田で酒米を栽培し、その酒米でお酒を醸す過程で、棚田も保全しようという取り組みをされているようだ。もともと、棚田の維持が高齢化で難くなってきていた。そこで「酒米オーナー制度」を採用し、岡崎酒造と一緒に棚田で農作業を体験し、その米でつくったお酒をもらえる、という形にしたそうだ。酒蔵も、地域も、そしてそれを飲む人にとってもメリットのある、いい枠組みだと思う。

 そして、このお酒は、美味しかった。

 続けて、私が地元から買ってきた、岐阜県 二木酒造「氷室」を出す。ほぼ地元でしか流通しておらず、後輩に飲んでみてもらいたかった。

 が、後輩が飲んで、微妙な顔をしている。私も1口。

あれ?なにこれ。不味い。。。

 もともとの味が想像できないほど、雑味が増え、不味くなっている。

 このお酒は生酒だ。地元から自宅へ運ぶ過程で、温度管理を間違えたか。クーラーボックスで運んだが、保冷が切れて温度が上がってしまったのか。

 非常に残念だが、このお酒はここで止めた。このお酒は、地元で、買ってすぐ飲むのが一番美味しいのか。より、自分の中でレア感が増した。

 気を取り直して、もう1本を。

 徳島県 三芳菊酒造「LOVEずっきゅん 純米吟醸無濾過生原酒」だ。このお酒は、完全に「ジャケ買い」した銘柄だ。

 このお酒も、美味しかった。氷室のショックを消してくれた。

 お酒を飲みつつも、直に見たい音楽が流れてきたら、ステージへ。この距離感、最高だ。

 20代の後輩は、あまり日本酒を飲まず、ビールを少しとレモンサワーをちびちび飲んでいる。

二日酔いするのが嫌なんですよね。その時間がもったいない気がして。
泥酔するほど飲むことはなくなりました。

 その考えは、一理ある。

 私はいつも泥酔して、2日目はずっと二日酔いだ。その泥酔している時間は最高に楽しいので、別によいと思っているのだが、何を重視するかが人によって違って面白い。

 そんな話をしながら、氷室が飲めなくなったので、そこまで泥酔はせず、夜が更けていく。

〆のスイーツ

クレームブリュレ、食べませんか?

 そこまで酔っていない後輩に言われ、思い出した。泥酔はしていないが、だいぶ酔っているようだ。

 クーラーボックスから十分に冷えたココットを取り出す。そして、粉砂糖を振りかけ、仕上げにバーナーで炙る。緊張の一瞬だ。

 そうして仕上がった、クレームブリュレ。キャンプ場でつくるクオリティとしては、最高レベルではなかろうか。少なくとも、自身では過去最高の仕上がり。

 みんなで、カチカチの表面を割りながら、美味しくたいらげた。

オリオン座と富士山

最後のDJイベント行きません?

 22時を過ぎ、23時まで音楽を流しているDJブースに行きたいそうだ。3人で向かう。

 音楽に身を任せ、多くの人が野天で踊っている。

 Ya-manはこういうのが好きで、「最後までいたい」と希望した。眠くなってきた私と20代の後輩は、早めに戻ることに。

 いつの間にか、夕方にはかかっていた雲が、晴れてきている。

 そして、富士山の上に、オリオン座が昇るのが、はっきり見える。

 これは本当に綺麗だ。

 カメラのインターバル撮影をセットして、就寝。

 明け方近くまで晴れていて、星の軌跡がはっきり撮れた。

キャンプフェスに満足~帰路へ

 翌朝は、テントに差し込む陽の光で目が醒めた。

 夜中に一度曇りになったが、明け方また晴れて、綺麗な朝陽が昇っていた。

 ただ、この朝陽の瞬間は、まだテントの中で眠っていて、この写真は仕込んでいたカメラが自動で撮ってくれたものだ。

 起床して、ゆっくり朝ご飯をつくっていく。

 メスティンでご飯を炊いて「卵かけご飯」と「しじみの味噌汁」だ。シンプルで美味しい。

 食事後、片付けをして、テントも撤収して、帰路へ。

 音楽も、食事も、アクティビティも、買い物も、いろいろ満喫できたキャンプフェスだった。

 また来たい。