開拓の小休止期間
竹を切るなどの対策するまでは、一気に進めた。それこそ、ほぼ毎週、都合のつくメンバーを集めて、通った。特に、開拓Act.1、開拓Act.2でもキャンプ地までの竹を切るところまでは、早く進めたかった。それは、1m伐採法で、根を弱らせるための期間を確保したかったためだ。
その後、しばらく、現地へは行けなかった。
一旦、今のタイミングで必要な仕込みはできた、という区切りで、ちょっとした安心感、気の緩みが生まれた。また、普通にキャンプしたいという欲求から、限られた週末で計画し、一般のキャンプ場で楽しんだりもした。そして、「今週は行こう」と予定したタイミングでも、雨天中止になるという間の悪さもあった。
とはいえ、特に焦りはない。誰からも急かされているわけではないし、進めるのは自分たちの気分次第だ。
結局、行けたのは、前回から約1ヶ月後になった。
驚愕の光景が目の前に
1ヶ月ぶりの開拓は、何をしよう。ハーブ園をつくろうか。開拓ワークだけでなく、何か遊ぼうか。竹で何かDIYしようか。久しぶりのラボリエでワクワクしながら、現地へ到着。
く、草が伸びてる・・・まぁ、これは想定内だ。
1ヶ月もあれば、雑草は伸びる。想定はしていた。これくらいは、草刈機で30分もあれば整えられる。
あれ???奥の風景がおかしいぞ・・・
な、なんだ、こいつらは!?
ここは、竹を伐採して道だった場所。そこに、この1ヶ月で、新しい竹が生えていた。高いものは、7~8mはある。竹は、成長速度が早い、とは聞いていた。が、それを甘く考えていた。まさかここまでとは。
もしかして、また全てをやり直しなのか。頭に最悪のシナリオがよぎった。対面する若い竹が高くそびえ、見下しつつ嘲笑を浮かべているように見える。
いや、まずは、影響範囲の把握だ。とりあえず調べよう。
竹の反撃の範囲は
まず安心したのは、キャンプ地までの道を確認すると、「1m伐採法」で対処したエリアは、ほぼ無傷だったことだ。このエリアで新しく生えてきた竹は、60mの道で10本弱、という状況だった。
これこそが、「1m伐採法」の効果だ。まだ竹が無事に生えていると勘違いすることで、新しい竹が生えるのを抑制することができるらしい。
キャンプ地も、そこまでの新しい竹の繁殖はなかった。
結果、竹の繁殖が激しかったのは、不動産会社に伐採してもらったエリアだ。ここは全て、根元から竹を切っている。
切られた!と察知した竹たちが、慌てて新しい芽を出し、リカバリーをしてきたのだろう。
もう1つ安心した点は、新しい竹は水分を多分に含み、柔らかいため「切りやすい」ことだ。草刈機で、一瞬で切ることができた。
このまま一掃してしまえ、と思ったが、また違う敵が現れた。
「プーン・・・」 「プーン・・・」 「プーン・・・」
蚊だ。
竹林では、切った竹株に水が溜まることで、ボウフラが湧きやすく、また切って出てきた竹の養分が虫を引き寄せやすい、とは聞いていた。ただ、尋常でない数だ。そこかしこにいて、顔や手にどんどん引っ付いてくる。長袖シャツの上からも、容赦なく刺してくる。
海を眺め心を整える
ここで、心が折れた。
着いてすぐの新しい竹の発見で、改めて自然の力を感じ、ショックを受けていたところに、この蚊の大群だ。
今日は止めよう。そして、また心落ち着けて、戻ってこよう。
そこでふと思いついた。
そうだ。海に行こう。
そうして九十九里浜へ。近いのに、開拓に夢中で、全く立ち寄っていなかった。
広い!あっちからこっちまで、ずーっと海岸線。
波の音を聴き、波打ち際を歩く。
足に、水と砂の、冷たくくすぐったい感触を感じる。
・・・
これが自然だ。人間の力ではどうしようもないこともある。
もともと、私たちが後から入ってきたんだ。彼ら(竹)からしたら、私たちが侵略者だ。支配して、全てをコントロールできるなんて、思い上がりだ。
この自然との対話を、楽しもう。どう対峙するか、考えて、それも楽しもう。
・・・
そのまま、近くの食堂で美味しいアジフライを頂き、帰宅。
また次の開拓を、準備して臨もう。
<と思ったところから一転、次回、思い切ってソロキャンプに挑戦!>